最後の恋、最高の恋。
季節を越えて。
「約束通り、誠人のとこに鍋食べに行こう」
デートの途中、夕飯はどうしよう、なんて話になった時の学の言葉で、私はずっと気になっていたことを聞いてみた。
「誠人さんって、どんな仕事をしてるんですか?」
私の記憶が確かならば、彼は副業であの店を経営していて、夏休みの期間と冬休みの期間しかお店を経営していない。
つまり本業が休みの時に店を経営しているんだと思うけれど、夏休みと冬休みのある仕事なんて何があるだろう。
ずっと考えていたんだけれど、全然答えが出なかった。
お姉ちゃんに聞いてみても、「自分で考えてみなさい」なんて微笑んで終わるし、かといって自分の考えた職業はあまりしっくりこない。
「あれ? 知らなかったっけ?」
「うん、知らないしお姉ちゃんは教えてくれないし。 考えてみても全然分からなくてお手上げなんです」
両手を軽く上げて降参ポーズをする私に、学はハハッと笑ってでも答えてくれる気配はない。