最後の恋、最高の恋。
普段のかっこよさとは結びつかない時々見せるそのヘタレさが、私の胸キュンポイントをついているということに、本人は気づいていない。
「ううん、学の車好きだしこうやって寒い中あったかいの飲むのって結構好きだし」
「……でもなぁ、美月のほっぺ寒さで真っ赤」
そうやって私の頬に触れる学の手は、カップを持っていたせいか温かくて、その温もりに自然と目をつむってその温かさを堪能した。
「ホント、反則」
そんな学のつぶやきが聞こえて目を開けようとしたら、唇に慣れ親しんだ感触。
突然の行動に驚いたし、なによりあり得ないくらいに心臓が暴れ始めたけれど、学のくれるキスは優しくてすきだから、されるがままに受け入れて手に持っているカップを落とさないようにと頭の片隅に思いながら、ちょっぴりコーヒーの苦い味のキスを味わう。
コーヒーはミルクと砂糖をたっぷり入れないと飲めないのに、学とのコーヒー味のキスはとても好き。
学が与えてくれるものなら、なんでも好きなのかもしれない。