最後の恋、最高の恋。
そうやって幸せに浸りながらキスに酔いしれていると、チュッとリップ音を鳴らして学の唇が名残惜しげに離れていった。
「誠人のとこ、行こうか」
言葉と同時に車にエンジンがかかって、エアコンから少し冷たい空気が吐き出された後徐々に温かい空気が車内に充満していく。
スイスイとすべるように運転しながら、やっぱり話題は宮田さんの職業だった。
私が思いつく職業を言っても、学は「違うなぁ」と間違いを教えてくれるだけで正解は教えてくれない。
いい加減挙げる職業もなくなってきた頃、学がとうとう根負けしたように「教えてほしい?」と意味深に聞いてきた。
「教えて!」
素直にその言葉に食いつくと、「じゃあ交換条件ね、一個俺の頼み聞いてもらおうかな」となんだか私に割の悪いような条件を突きつけられた。