最後の恋、最高の恋。
それでも知りたい私は、なんだかうっすらと嫌な予感がしつつも快諾して、その答えに満足げに頷いた学が口にした職業はあまりにも想像から外れた職業だった。
学の言葉を疑うわけじゃないけれど、宮田さんが? と失礼だと思いつつもそう思ってしまうのはしょうがないと思う。
「み、宮田さんが……シャチョーさん」
「そう、社長サン。 っていっても副社長に有能なやつを就けた上に秘書も有能なやつを就けたから、我儘言って夏休みと冬休みをもぎ取ったって言ってたな」
「それは……なんていうか……」
言葉を濁した私の後に続いて、「自己中な社長サンだよなぁ」と笑いまじりに私の言いたいことをはっきり言ってくれた学。
「そんなんで、大丈夫なんですか?」
「大丈夫なんだよな、なんだかんだ言って誠人優秀だから。 経営の才能があるんだよ、アイツは」
笑いながら車が停まって、そこがあの時車を停めた駐車場だったことに気付いた。
こんな心境のまま宮田さんに会うのって、とっても気まずいんですけど……。