最後の恋、最高の恋。
宮田さんのところで鍋を食べるという約束も果たして、クリスマスも年越しも二人で楽しく過ごしてしばらくしたある日の休日。
季節は春めいてきたとはいえまだ朝方は寒くて、今日が休日だからと昨日の夜から学の家に泊まっていた私は、寝起きでまだ起きていない頭に急にそんなことを言われても意味が掴めなくて、めくられた布団のせいで急に感じる寒さに耐えきれなくて、下に丸まっていた布団を引っ張って頭からかぶってもう一度寝ようとした。
のに、いつの間にベッドから抜け出して着替えたのか分からない学は無情にも布団をベッドから落として、私の両手を掴んで身体を起こして寝起きには眩しいくらいの笑顔でもう一度同じ言葉を口にした。
「何でも言うこと聞くって言ったよね?」
それでもいつ言ったのか思い出せない私は、回らない頭を必死で動かして記憶をたどる。
確かに昨夜はいつにも増して学が激しくて、どっちが上でどっちが下か分からないくらいに翻弄されたせいで、自分が何を言ったのかも覚えていない。
その時にそんなことを口走ってしまったのだろうか。