最後の恋、最高の恋。



お姉ちゃんにああ言われて、しかも“覚悟しろよ?”とまで言われたから何かあるのかと、ドキドキしながら構えていたのに、あれから約2か月経った今日まで何もなかった。


季節はもう夏真っ盛りで、梅雨前に起きたあの出来事は夢なんじゃないかと今では思っているほどだ。

それか、時期の遅い大がかりなエイプリルフール。



「……ホント、どっかで期待してた私がバカみたい」



ポツリ呟いて、部屋の閉め切ったカーテンを開ける。

開けたカーテンから見える太陽はもう昇りきっていて、休日だからって少しのんびりしたかも、とちょっと反省。

しかも今日はお姉ちゃんと午後から買い物に行く約束してたんだっけ、と思い当って携帯で時間を確認したけど幸いにもまだ午後にはなっていなくて、携帯には“11:14”と時刻が表示されている。


微妙な時刻。 あと3分早ければ1が揃ってなんだか気分が上昇したかもしれないのに。

こういうところでも、私はついてないんだよね。
ちっぽけな幸せくらいかみしめさせてくれてもいいと思うのに。

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