最後の恋、最高の恋。

「誠人の仕事教えるとき、約束しただろう？」


ふてくされたようなその言葉で、私はやっと思い出した。

でもそれはもう３か月も前のことで、こんな寝起きに言われても思い出せないのは仕方ないと思うんだけど、あえてそれは言わないで素直にもう一度謝った。


「だから、今日一日俺の言うことなんでも聞いてね」


さっきとは打って変わってにっこりと笑う学の言葉に、私はすっかり目が覚めた。


「待って!!　一個でしょう？　一個いうこと聞けばいいって話だったでしょう？」

「うん、だからその頼みごとが“今日一日何でも言うこと聞く”ってことなんだけど」


何言ってるんだ？　とばかりに驚いている学は、きっと内心ではほくそ笑んでいるに違いない。

こういうふうに言うことすら学の予定の範囲内だったに違いない。

しかも約束をしたすぐあとには警戒していた私が、忘れたころにしかも寝起きにそのことを持ち出してくるなんて、なんて周到さなんだろう。




悔しい……けど、言い返せない……！！