最後の恋、最高の恋。
車を降りて目の前に立ちはだかるのは、白い大きな柵のような門。
その隅っこにあるインターフォンを学が押すと、インターフォンの向こうの人と一言二言しゃべって、門がひとりでに開いた。
もう、ポカンと口を開けることしかできない。
すたすたと進む学に、門の前に停めたままの車をどうするのか聞いてみたけど、「お手伝いさんが車庫まで運んでくれる」と意味不明なことを当然のように言った。
「お、お手伝いさん?」
「そう」
この状況にすでに置いていかれている私の手をいつもの様に握りながら、学は洋風の茶色と白の洋風のお屋敷の方へと歩いていく。
待って。
もしかして、もしかしなくても、ここってまさか。
「ただいまー」
大きな玄関の扉を開けた学が発した言葉で、ここが学の実家なんだと確信した。
「が、学……、ここって」
「うん、俺の家」
あっさりと予想を肯定してくれた言葉に、すぐさま回れ右をしたくなった。