最後の恋、最高の恋。
お姉ちゃんみたいにかっこよく綺麗に見られたいと思ったのに、もう出鼻から挫かれて取り繕う方が変に思われる。
……きっとそれも学の思惑通りなんだろう。
「なんだか学が美月ちゃんにベタ惚れみたいね」
「えっ!? 違います! 学じゃなくて私がです!」
ふふ、とからかうようなお母さんの言葉につい力いっぱい否定してしまってから、私以外の三人がきょとんと眼を丸くして驚いているのに気付いて、「……や、あの」ともごもごとしてしまう。
今の言葉に嘘はないけれど、これは全力で恥ずかしい。
学のお父さんとお母さんを前に、学が好きだと宣言したも同然なんだから。
初対面なのに、こんなこと宣言してるなんて私もう本当に穴を自分で掘って埋まりたい。
真っ赤になったであろう顔を見られたくなくて、顔を両手で覆ってそのまま自分の膝に突っ伏した。
私の頭をぐしゃぐしゃとかき混ぜるこの大きな手は学だと分かるんだけれど、その手の温もりは今は逆に恥ずかしくてたまらない。