最後の恋、最高の恋。
学の両親に会ってから、メル友と言えるほど頻繁にお母さんとメールをいしている私は特に自分を着飾ることなくありのままの私でいられるようになった。
それは初対面のときに学がああやって私の素を引き出してくれたからこそなんだけれど、今では本当に感謝している。
学のお母さんはとても優しくて、そして友達のように接してくれる。
学も出張中の時間のある時にメールをくれるし、時々電話もしてくれるけれど国際電話はお金がかかるからなるべくメールにしてほしいと頼んだ。
確かに声は聞きたくなるし、淋しいけれど、これから先学と付き合っていく限りこういう長期出張は何度もあるわけで、そのたびに毎日電話をしていたんじゃ結構な出費になってしまう。
だったら今のうちから慣れておいた方がいいし、なによりそういう風に考えられるくらい学が私の未来にずっといるんだと思うと、自分でもバカみたいに学に恋してるんだと思える。
学が出張に行っていて淋しいだろうと電話をかけてきてくれたお母さんが、思いついたように言ったのがことの発端だった。
『美月ちゃんは学のマンション行ったことある?』
「あ、はい何度かお邪魔したことがあります」
学のマンションは、私にとってすごく思い出のある大切な場所の一つだ。
それは最初に行ったのが二人が心も身体もひとつに結ばれたところだからかもしれないけれど、それ以上に学の匂いでいっぱいのあの部屋は大好きな場所。
そして私の第二の家と思っている場所でもある。