最後の恋、最高の恋。
……さっき言ったことがお姉さんたちの策略によるものだと分かってしまった上に、その策略にのってしまったということが学に知られた状況で、この電話に出ろというのだろうか……。
通話中と画面に表示されているから、私は半ば自棄になって電話の向こうの学にとにかく先手必勝とばかりに謝った。
「嘘ついて学を騙してごめんなさいっ」
潔く謝ったのに、学の返答は不機嫌そのものだった。
『……嘘って全部嘘?』
「……元彼に会ったっていうのも、言われたことも、嘘です」
正直に白状するのに、まだ学の声は不機嫌さを伴っていて、いつもより1トーン低い声で更に問いかけられる。
『俺に会いたいって言ったのも?』
「ちが、違うよっ! 会いたくてしかたないよ! 何より大好きな人が遠くにいて会えないんだから淋しくて会いたいと思うのが、当たり前……」
思わず声を張り上げて正直すぎるくらい正直に言い連ねて、最後の方で尻すぼみになってそのまま途切れてしまったのは、さっきまで自慢大会をしていたはずの三人のからかうような視線が私に集まっていたからで。
そして電話の向こうからも、がんばって堪えているんだろうけど漏れてしまっている微かな学の笑い声が聞こえてきたからだ。