最後の恋、最高の恋。


やられた。

完璧大人4人にまんまとハメられた。



気づいた時には遅くて、もう言ってしまったことに嘘はないけれど取り消すことすらできなくて、恥ずかしくて本当に穴を掘って埋まりたい。


これじゃあ学をからかうためにかけた電話なのに、私がからかわれているうえに学への思いを公開告白しているじゃないか。


……いいけど、別にいいけど、本音だし、嘘じゃないし、誰に聞かれたっていいけれど。



でもやっぱり恥ずかしい。





羞恥に顔を真っ赤に染める私に、学は電話の向こうから『俺も早く会って美月を抱きしめたい。 好きだよ』と甘い声で囁いてくれた。



電話が切れてから、散々3人にからかわれて、旦那さんの惚気を聞かされたから思い切って私も学のことを語っても、「でもヘタレだからねー」と言われて撃沈する結果に終わったり、その夜は学のマンションに4人で泊まって楽しいんだかひやひやするんだかよく分からないけれど幸せな夜を過ごした。


そして、学が帰ってきたのは宣言した水曜じゃなくて、火曜日だった。


帰国を知らされていなかった私は、仕事終わりに会社の前で待つ学に、宣言通り苦しいくらいに抱きしめられて、電話越しじゃない「好き」を耳元で囁かれて、会社の人たちがいるのに長い長いキスを学からプレゼントされた。




お母さん、お姉さん、雪さん。

学はどんどんヘタレじゃなくなってきてると思います。



そんなことを思いながらも、久しぶりの学の匂いと温もりに包まれて、学のキスに応えた。




□END□
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