最後の恋、最高の恋。
私の言葉に「いいねー、したいね」と言った誠人君は、言ってたっぷり5秒は黙ったまま手を動かして、そこでやっとさっきみたいに勢いよく私に顔を向けた。
待ち望んだ誠人君のまっすぐな視線。
でもその目は驚きに見開かれて、さっき私をユーレイだと思った時よりも驚いた顔をしながら口をぱくぱくとさせている。
「は……春陽、そこに特に意味は……」
ないよ、って言ってほしかったんだと分かっていながらも、私はキッパリと「あるよ、意味」と言い切った。
お酒の力を借りても言えなかったひとことよりも、私は今すごいことを言ってる気がする。
だって美月が誠人君の妹になるには一つしか方法がない。
私と誠人君が結婚すれば、美月は義妹になるんだから。
ストラップに思いを込めたり、お酒の力を借りてもできなかったことが、アッサリとできてしまった。
……美月への嫉妬心で。
誠人君を美月にとられたくない、とられるくらいなら友達という関係がなくなっちゃっても当たって砕けた方がいい。
心は、そうすんなりと答えをはじき出した。