最後の恋、最高の恋。
「私、ずっと誠人君が好きだったの」
「……」
「美月に背中押されたくせに、いざとなったら二の足踏んで、それでも大好きな美月を褒める誠人君がいやだと思うくらい、誠人君が好きなの。 美月に嫉妬するくらい、大好きなの。」
まるで小学生の作文みたいにつたない言葉の羅列。
それでも、それは私の飾らない本心だった。
今まで必死に隠していた本心を打ち明けるのはとても恥ずかしい。
羞恥に顔が赤くなるのが自分でも分かるけれど、私は誠人君から一瞬たりとも目をそらさずに言葉を続けた。
「フラれて一緒にいられなくなるくらいなら友達のままでもいいって思ってたけど、やっぱり私は誠人君の恋人になりたい。 誠人君の何もかもを独占したいって、らしくない子供じみたことを思っちゃうくらい誠人君が好きなの」
そこまで言い切って、私はとうとう誠人君から視線を外した。
限界だった。
まるで、そう言われるとは思ってなかったと言わんばかりの驚いた誠人君の顔を、それ以上見つめ続けることは不可能だった。
友達以上の気持ちはないとその反応が物語っていたから。
熊みたいなのに、よくよくみるとかっこよくて、笑うと可愛くて手芸が得意な誠人君。
いつからだろう。
誠人君に触れたくて、触れてほしくて。
私だけのものにしたくて、私だけを見ていてほしくて。
恋愛スキル0なくせに、欲求ばかりが一人前で。
そんな自分が恥ずかしくて、でも伝えたくて。
いろんな矛盾が自分の中をぐるぐるずっと自分の中で渦巻いていた。
……、何か言って。
どんな答えでもいいから、この恋にトドメを刺して。