最後の恋、最高の恋。
1st contact


「あんなやつぅっ、こっちから願い下げだぁー!!」


家に帰って、恒例の自棄酒。

もうこれは年に何度もある私の恒例行事となっていて、滅多にお酒を飲まない私がこうやって飲んでいるときは、失恋したときだと家族の誰もが知っている。
もちろんお姉ちゃんも。


「美月(みつき)、もうそれくらいにしておきなさい」

「あともう一杯っ!!」


たしなめてくれるお姉ちゃんに、グラスを掲げてねだると、困ったように微笑んで「これで最後よ?」とグラスにお酒を注いでくれる。


「ホント、お姉ちゃんって優しい」


グラスにちびちびと口をつけて味わって飲みながら、しみじみ思う。


「……どうしてフラれたの?」


さすがに“お姉ちゃんを好きになったからだって”とは毎回言えなくて、「他に好きな人ができたんだって」と、当たらずとも遠からずに答えた。


「こんなに可愛い美月をフるなんて、相手はどれだけ素敵な人なのかしらっ」


ムッと眉をしかめて自分のことの様に怒ってくれるお姉ちゃん。


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