最後の恋、最高の恋。
すごい、緑に囲まれたところって、こんなにも空気が澄んでて気持ちがいいものなんだ。
そんな当たり前のことに感動して、思わず両手を広げて深呼吸していると、クスクスと忍び笑いが聞こえてきて慌てて両手を下ろして前で組む。
今一瞬坂口さんの存在忘れてた。
絶対、子供っぽいとか思われてる……。
「ちょっと歩くけど大丈夫?」
さっきのことには全く触れずに、笑顔を浮かべたまま私の足元に視線を移した。
今日履いてきているサンダルが、少しヒールの高いものだからそこを気遣ってくれてるんだと瞬時に理解して、「大丈夫です」と答えるけど、さっきの姿を見られているせいで、恥ずかしくて笑うことすらままならない。
「この道の先にね、隠れ家的な店があるんだ」
言いながら当たり前のように私の手から鞄を抜き取り、空いている方の手がさっきまで鞄を持っていた私の手を握る。