最後の恋、最高の恋。
「あの、ありがとうございます!」
早々と店から出て行ってしまった坂口さん。
出口付近で早く出てこいというオーラを背中に漂わせながら立っているのをプレッシャーに感じながらも、お姉さんにお礼を言う。
「いいのよ、そのかわりメイクは変えることを前向きに検討してくれるとうれしいかな」
それは私のことを考えて言ってくれてるとすぐにわかる言葉で、そういうところまで姉弟って似るものなんだな、なんて変なところで感心してしまう。
「それから、これ、お会計してもらえますか?」
坂口さんがこっちに背を向けているのをいいことに、レジ近くにあった小物ブースにあるさっきから気になっていたものを2つレジに置くと、お姉さんは何も言わずにただにやりと意味深に笑って、「4850円になります」と小さな声でお会計をこっそりしてくれた。
坂口さんに聞こえないようにしてくれたんだろうけど、その気遣いがかえってとっても恥ずかしくて照れくさかった。