最後の恋、最高の恋。
5000円を出してお釣りをもらって、急いでお財布をしまって買ったものも鞄に詰め込む。
やっぱりどこまでも気の利くお姉さんは、2つのうち1つを簡単にラッピングまでしてくれた。
私の思考回路は、この姉弟には透けるように見えてるんだろう。
「また来てね」
手を振ってお見送りをしてくれたお姉さんに、「ありがとうございました」ともう一度お礼を言って手を振り返しながら坂口さんの隣に立つと、やっぱり当たり前のように荷物と鞄を取り上げられて、手を捕らえられてしまう。
「この後はどうしようか」
フンフンと鼻歌でも歌いだしそうなほど上機嫌な坂口さん。
てっきり待たせてしまったから不機嫌かと思ったのに、なんでかとても上機嫌。
「……ご機嫌ですね」
「そうだねぇ、とっても」
……なんだかとっても嫌な予感がする。