禁断の恋~加害者と被害者~




”怖いから落書きしてよっ!”
そう言って書いた落書き。
4人の名前が刻まれた落書き。
あの時あんな優しくて可愛かった悠太が…って考えると怖くて行けなかった。
思い出したくない、お兄ちゃんとの最後の落書きだった。




「…高橋、何で目つぶってんの?」

「…怖くて…。」

「ここそんな怖くないよ?」

「…そんなこと、転校生の細田くんが知ってるわけないでしょ。」




知らないくせにっとカッとなって目を開けてしまった。
…あ、無い!
よかったぁ~…




「…フフッ。」

「あっ!笑った!!何がおもしろかったの?」

「…これ。」




あのときの…
落書き…
10年たった今も残っているのは、掘ったから。
確かに、繭の名前があった。




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