禁断の恋~加害者と被害者~
観覧車。
繭以外で盛り上がってるけど、繭はそんな気分にはなれなかった。
…優汰…なんなの…っ。
「繭?何かあった?」
「う、ううん!ちょっと疲れちゃって…。」
あれっきり、優汰は笑わなくなった。
莉子も見たがってたのに…。
「あのな、俺、昔、この町に住んでたんだ。」
突然口を開いて、爆弾発言。
もしかして…知り合いだったりして!?
や、やだ、知らないなんて…
頭の引き出し全部出せ!全部、全部…
ふと見えた、お兄ちゃんが殺された場所。
あぁ、ここから近いんだっけ?
あの時の桜。
あの時のブルーシート。
あの時の…お兄ちゃん。
「ま、繭!?ど、どうしたの!?」
「お、お兄ちゃん…血…。…悠太ぁ、悠太がヤッタノ…?」
「繭、繭!!!」