ストロベリーデイズ




逃げたのにまだ、私はやっぱりこんな口しか利けない。


こういう時に、強がりなのは、昔からの悪いところだと自覚はしているし、何かに張り合ってるみたいで子どもっぽいとも思う。



そんな私のことをなのか、先生はフッといたずらっ子のように笑った。



「別にいいよ。その時は、佐藤のピアスのことも言うから」

「…最低ですね」

「お互いにな」



はは、と先生の切れ長な目が優しげに弧を描く。



壊れた心臓は、せかせかとポンプ運動を繰り返している。




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