ストロベリーデイズ




「はっ…、お前、全然分かってないのな」


突然の嘲た先生の声に驚いて、顔を上げれば。

そこには、見たことがないほどに悲しく笑う先生がいた。



先生は私との距離を縮め、両手で優しく私の頬を包む。



「ほんと、分かってない」


それとは対照的に、声は怒気を含んでいて。

いつもとは違う雰囲気に、怖くなってしまう。



「もう、知らない」


そう言って、次の瞬間には。


先生の顔は、私の真ん前にあって。


私の唇は、先生の柔らかいそれとぴったりくっついていた。




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