ストロベリーデイズ
息が上がって苦しいからだろうか。
それとも、悲しげな先生の笑顔のせいだろうか。
はたまた、先生が怒っている理由すら分からないことへの怒りだろうか。
「……っ…」
ポタポタと私の目からはとうとう涙が零れてしまった。
意味なんて、分からない。
ただ、胸が痛い。
苦しい。
ドキドキと早く動く心臓が、止まってしまいそうなほどに。
「……佐藤…、」
「先生、私、…帰ります」
先生が、また私の頭に手を伸ばす気配を感じて、私はソファーから立って背を向けた。