ストロベリーデイズ
数学の授業で使うのか、疑問に思うようなものまで置かれた狭い空間。
暖房機などはあるワケがなく、そこは寒いはずなのに。
ドアを引いた途端に、フワッと暖気が私を襲った。
「早く入れよ」
ドアを開けたまま、一歩も動けずに突っ立っている私に、先生は笑って言った。
先生に従って、とりあえず閉めたドアに寄りかかる。
必要以上の距離を取って、先生と向かい合った。
「なんで、暖かいんですか。」
早く返してもらいたかったけれど、それよりも、さっきから感じる疑問の方を先に、解決したかった。