ストロベリーデイズ





「ん。」

また背中を私に向け、顎で指示する。

この人、本当にムカつく。


「何ですか?」

「お前、分かってるだろ?」


バレたか。

ムカついたからわざと聞いてやったのに。

見破りやがって、ますますムカつく。


「ほら、早く乗れって。 寒いだろ?」

…仕方ない、仕方ないんだ。

恨むなら、この風邪を恨もう。

そして、この心配性な先生を恨もう。


…だから、首を絞めてやろう。



「ぐはっ、お前なぁ…」

「鍵は郵便受けの中です。 私の部屋は二階です。 早く連れてってください」


さもなくば、もっと首を絞めてやる。




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