ストロベリーデイズ
◎恭佑side
バンッ
車に乗り込んだ俺は、タバコの箱とライターに手をかけた。
『今日も吸いたくなるようなことがあったんですか』
はぁー、と今日何度吐いたか分からない溜め息を、また吐いてしまう。
タバコの箱とライターをそのまま助手席に置き、代わりに常備されたアメを口に放り込み、ハンドルと車の鍵を握った。
思えば、授業の始めからあいつは突っ伏していた。
いつものように肩に手をやり、揺らした。
そしたら、聞こえたんだ。
『……いたい…』
佐藤の小さな呻き声だった。