聖夜の奇跡
美希は、拓人のベッドの横にクリスタルツリーを握りしめたまま膝立ちし、目を瞑ると願いを唱えた。
「お願い……拓人の目を覚まして下さい…………助けてください…………」
すると、不思議なことにそのツリーはキラキラと光輝き、美希の手の中から消え去った。
美希がどうなってるんだと驚いていると、ずっと聞きたいと思っていた声が聞こえてきた。
「み…………き?」
その声の主の方へ顔を向けると、そこには信じられない光景があった。
「た……くと…………拓人ーー」
美希は横になっている拓人に覆い被さるように抱きついた。
「おれ…………」
「ばか拓人!起きるの遅すぎ!もう…………」
美希は拓人の首に埋めていた顔を上げた。
そして、涙をいっぱい浮かべた顔で微笑みながら、ずっと伝えたかった言葉を拓人に伝えた。
「大好きっ」
END