聖夜の奇跡



和輝は用意しておいたプレゼントを片手に軽い足取りで待ち合わせの公園へ向かっていた。



良く言えば趣のある、悪く言えば寂れてしまった公園内では、直緒が神妙な面持ちで待っていた。



「直緒さん!遅くなってごめん」



時間に遅れた訳ではないが、待たせてしまったことに対して一応謝りながら、駆け足になる。



だが、それは直緒の「ストップ」という声ですぐに静止することとなった。



「そこで、止まってて」




和輝はとりあえず言うとおりにして、直緒の座っているベンチから二メートルくらい離れた場所で様子を伺っていた。




< 50 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop