聖夜の奇跡
「実は、今日はお別れを伝えにきたの……」
「は?え、ちょ、ちょっと待って…………どういうこと……?」
直緒からの突然の言葉に和輝は動揺を隠せない。
何も語らない直緒に更に言葉を続ける。
「冗談だよね?だって、今日ここに来たじゃないか」
直緒は目に涙をいっぱいに浮かべて泣くのを必死で我慢している。
(あの時と同じ顔……)
「ごめんなさい……あなたのこと本当に大好きだった。
四年間一時も忘れたことなんてなかったわ。
でも、これから一緒にいることは無理なの…………
本当にごめんなさい………………」
和輝はただ黙って直緒の話を聞いていた。