聖夜の奇跡





「なんか素敵な話だね……。じゃあ、あげははその少年が初恋って感じ?」



「初恋……うーん、そうなるのかなぁ?でも綺麗な男の人だなと思ったのは覚えてるよ」



すっかりクリスマス模様になっているカフェの店内で、二人の女性は恋の話に華を咲かせようとしていた。



「もう、早くあげはとも恋愛の話で盛り上がれるようになりたい!」



「だってさぁ……私のことより美希の方は順調なの?」



「まぁね。大検取ったから大学受験するって今猛勉強してるよ」



「そっかぁ。あの日からまだ一年しか経ってないのに拓人くんってすごいね」



「それにしても、私たち二人だと本当恋愛話に華が咲かないよね……」



二人の女性、桃瀬あげはと清水美希は目を合わせると本当に、と言いながら笑い合った。






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