そんな顔すんなよ
胸を張って堂々と言い張るおっちゃんを見ると、何も言えなくなった。
「男ならうじうじすんな!」
「無理です」
「弱っちい男だなぁ!凉ちゃん、こんなくねくねした優ちゃんはやめて、別な奴にしなよ!」
「ちょ…おっちゃ…」
「そうですねー。じゃあ優輔とお別れをしちゃいましょうか?ってなんちゃって!」
ニコッと笑いながらおっちゃんと会話を交わす凉菜。
凉菜、全然冗談に聞こえないんだけど。
「あらら。もしかして優輔落ち込んじゃったの?やっだ、嘘だってー!」
「おぉ、優ちゃんは意外に寂しがり屋だなぁ!」
「…うっさい」
やっべぇ。この立場でもし俺が女子だったら絶対泣いてる。
だって、信じらんねーんだよ。こんなに笑ってるお前が…凉菜が…いなくなるなんて。