そんな顔すんなよ





「い、行くぞ!凉菜」


「あ、待ってよー!おっちゃん、また来るからね♪」


あと何回、お前とここのたこ焼きを食べられるんだろう?


別に同じ空の下にいるわけだし、こんなこと思うなんて大袈裟だってわかってるんだけど…


苦しい。


だって、隣にいる大切なやつがいなくなるんだ。当たり前の日常が2週間後には変わっちゃうんだ。


凉菜、お前の姿を毎日見れなくなんだよな。


「ん?なぁに?」


「別に」


首をかしげて俺を見てくれることも、名前を呼ぶ声も聞けなくなるんだ。


「ねぇ優輔、まだたこ焼き食べたかったの?」


「なわけねーだろ」


あと14日。凉菜、お前とどんな風に過ごせばいい?


俺は何をしてやれる?





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