そんな顔すんなよ
棒キャンディ
『優輔ー!朝だにょーん♪』
朝は、いつものバカ気たアラームで目を覚ます。……俺専用の凉菜の肉声アラームだったりする。
いつだったか、凉菜の元に戻った時に、凉菜が俺のケータイに勝手にいじっていた時があった。
何してんだよって聞いたら、明日の朝のお楽しみ!ってケータイ渡されたんだ。
その日は、次の日に何が起こるか考えるだけでなかなか寝付けなかった。
そして次の日の朝、さっきのバカ気たアラームが鳴り響き、睡眠時間を返せと思った記憶がある。
まぁ、それでもこのアラームは継続して使っているわけだけどな。
「おい兄貴、起きてるかぁ?」
2段ベッドの上から弟の慶輔が呼びかける。俺は曖昧な返事を返した。
「凉菜ちゃんのラブアラームってすげぇな!」
「……うっせぇ」
「だって、兄貴が起きるようになったんだぞ?」