そんな顔すんなよ
……意味わかんねー。俺は慶輔の背中を見送りながら、キャンディを握りしめた。
「優輔ー!」
一気に胸が締め付けられた。振り返ると、昨日と変わらない笑顔を見せる凉菜がいた。
「お、おはよ」
「おはよう♪今日も慶輔くんと仲良さ気だったね!遠くから見えてたよ!」
「仲良さ気?全然なんだけど」
「嘘つけー。大声で叫び合ってたくせにぃ!」
「そこ、見たんだ?」
微笑ましかったよ、と白い息を吐きながら目尻を下げる凉菜。俺の胸はドキドキ。
「今日、お前早いな?」
「あ、やっぱりわかった?実は早起きしたの!」
「いつもは遅刻寸前なのに、どうしたんだよ」
「ふふふっ、知りたい?」
「別に。……お前が言いたいんだろ?」
と言った瞬間に、凉菜がほっぺをパンパンに膨らませた。
…………あ、拗ねた。