そんな顔すんなよ
「……ごめん。嘘だって」
「優輔の鈍感!」
「は?」
目の前には俺を睨み付ける凉菜の姿があった。
「あたしが早起きしたのは、ゆ…優輔と少しでも一緒にいたいからだよっ!」
朝が苦手なお前が俺のために?
「い…言わせないでよね!」
今度は顔を赤くしながら視線をそらした凉菜。
………何それ。
めちゃくちゃ可愛いんだけど。
「ちょっと、優……す…け?」
俺ってかなりバカなのかもしれない。てゆうか、表情を隠せない奴なのかもしれない。
今、完全に顔が真っ赤だと思う。恥ずかしいくらいに…情けない。
「え?えええ!?」
凉菜は、真っ赤な俺を見れて嬉しそうな表情をしている。
「もしかして照れてるの!?」
「照れてない」