そんな顔すんなよ
嘘だー!ってどんどん俺に近づいて来る凉菜。
「来んな」
「やだ!勿体無いもんっ」
「そして見るな」
「やだ!超可愛いもんっ」
俺は軽く足を進める。それに合わせて、追いかけてくるもう1つの足。
「……ストーカー」
「学校に向かってるだけです!」
足音だけでも、凉菜が怒っているのがわかる。……ふふっ、やっぱり面白い奴。
ずっと傍にいてほしい。
こうやって、毎日他愛ないことで言い合ってそして仲直りして、笑い合いたい。
「凉菜」
「はわわっ」
呼んだと同時に立ち止まると、背中にも衝撃がきた。
「怒ってる?」
「……怒ってないとでも?」
ぶつかったまま、凉菜は離れようとしない。