そんな顔すんなよ
照れ臭い英語
「優輔!さっき聞いちゃったんだけど、凉菜ちゃんが引っ越すって本当!?」
凉菜の引っ越しまであと9日って時に、友達の那都(ナツ)が慌ただしく訪ねてきた。
「……あぁ、本当」
「うっそーん!?俺の目の保養の凉菜ちゃんがぁ…」
「おい那都、何か言ったか?」
「滅相もございません」
休み時間、授業の内容を規則正しく聞いていた訳じゃないが、少しずつ睡魔が襲ってくる。
そうか、みんなはまだ知らなかったんだ。てことは俺が1番乗りだったわけか?
「お前、大丈夫なわけ?」
「それ、慶輔にも言われた」
「弟に心配されるなん…」
「勝手に心配してくれただけ」
眠い目を開きながら教室を見渡すと、友達と笑い合う凉菜の姿が視界に入った。