そんな顔すんなよ
「あーあ。クラスの奴等もまだ知らないみたいだな。こりゃ、知っちゃった時の驚愕の顔が恐ろしいよ」
那都の言葉を聞きながらも、視線は凉菜の元へ向けられる。
凉菜はクラスでも大人気な存在。あ、付け加えると弄りやすいってことで大人気。
バカな特性が活かされてクラスにもすぐに馴染んだ。だから、男女構わずに弄られる。
いつだったか、凉菜ちゃんって、新種の喋る小動物みたいだよなぁって那都が言ってた。
だ・け・ど、それが裏目に出たのか、凉菜に恋心を抱く奴もいるわけで。
おかげで、凉菜が告白される現場を何度も目撃してしまったことがある。
モヤモヤした気持ちになるが、いつも凉菜の決め台詞で俺の心は安心するんだ。
『あたしには藤島優輔という彼氏がいるので、告白はお断りいたします!』
っていう、バカな凉菜らしい断り方でな。