そんな顔すんなよ
切なさ、募る
「もうすぐ冬休みだねぇ」
白い息を吐き、眩しい朝日を見つめて目を細める、隣の小動物、兼凉菜。
凉菜の引っ越しまであと6日。
初めての試みである凉菜の早起きは、依然として続いている。
冬休み…別に来なくていいんだけど。
冬休みって言っても、那都達と遊びまくるだけ。凉菜はもういないから…デートをすることもない。
てゆうか、どうせなら凉菜の引っ越しも来なければいいのに。
こんなことを考える俺は、最低な彼氏。
「雪…降るのかなぁ?」
それはココ?それとも大阪のことを言ってんの?
「さぁな」
「雪だるま、作りたいね!」
だからさ、俺に希望を持たせるような言葉を投げ掛けんなよ。
勘違いして、凉菜はずっとココにいるって思うだろ?