そんな顔すんなよ
「即、待ち受けにしました!」
ケータイの画面を見ると、とびきりの笑顔のままの凉菜と、照れ臭い表情を隠しきれない七三分けの俺がいた。
「……わかったから離れて」
「あーっ!照れてる?」
「怒るわけがないじゃん」
自然体のお前に惹かれた俺は、もうお前しか眼中にない。
毎日、お前の1つ1つの行動に左右される、俺。
お前がいなきゃ、俺の世界は始まらないよ。
「おー!今日もラブラブだなぁ」
だけど、甘い空気には必ず邪魔が入る。那都が片手を挙げながら、俺たちの元へ来た。
「那都くん、おはよう!」
「凉菜ちゃん、おはよう♪朝からハグなんかしちゃっていいなぁ…優輔は!」
「ウザい」
ったく、空気読めっつーの。