そんな顔すんなよ
『え?高3なの?あたし達タメだよ!』
『おぉ、偶然じゃーん!』
『うんうん!あ、それ何聴いてるの?』
『俺の好きな歌手なんだけど、曲聴いてみる?』
『うわぁっ、いいの!?』
確かにな、確かに待ち合わせに遅れた俺が悪いよ?
だけど…この光景は何だよ。
男2人と楽しくお話。明らかに俺との約束忘れてんじゃねーのか?
イライラしながら凉菜達の元へ近づいた。すると、またしても予想外な言葉が飛んできた。
「あっ、優輔!この人たちかなり面白いし♪それにこの曲もいいの!どう?優輔も聴いてみる?」
ニコニコする凉菜だが、男2人は一瞬にしてヤバイ、という表情をした。
『……飲み物買ってくる』
『え?この曲聴い…』
『そこにいろ』
俺は怒りを上手く抑えられず、自販機へ向かった。