そんな顔すんなよ
そのことを考える度に、焦燥感が増大して俺の体を駆け巡るんだ。
「焦りすぎだって」
「焦るに決まってんだろ?」
「大丈夫。凉菜ちゃんも同じように悩んでるよ」
那都の言葉を受けて凉菜を見てみると、山西に必死に何かを訴えている様子。
そして肩を落胆させた凉菜。そんな凉菜と目があった。
「……っ!」
だけど、凉菜の目の色は一瞬にして変わり、また怒りが倍増したように見えた。
「おい、凉菜怒ってんじゃん」
「あはは…何でだろー」
相当、アイツは怒ってる。俺がデートな遅刻したことよりも、キスされたことに。
俺だって好きでされたわけじゃねーし、話し掛けて来たのもあっちからだし…
てゆうか、お互い様だろ?