そんな顔すんなよ





凉菜こそ、知らない男と仲良く話してさ?警戒心無さすぎなんだよな、アイツ。


それからの授業も、できるだけ凉菜を意識しないようにしたが…結構難題だった。


いつも凉菜しか見ていなかったのか、少しでも意識が緩むと凉菜を見てしまった。


情けないし…何やってんだろ。


そして気がつけば放課後になっていた。那都は早く仲直りしろよ、と残して帰っていった。


帰り…どうすっかな。もう別々に帰るだろうか?ため息をついて教室のドアを見ると、見慣れた凉菜のシルエットがあった。


教室には背を向けているが、誰かを待っている様子。山西か?と姿を探してみるけど、残っている様子はない。


自惚れかもしれないけど…もしかして?


今までにない緊張感を保ちながら凉菜の前を通ってみた。





< 54 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop