そんな顔すんなよ
少し進んだところでチラッと後ろを見てみると…小さな凉菜がついてきていた。
喧嘩しても、一緒には帰ってくれるんだ?鼻でフッと笑うと、後ろの凉菜が唸った。
玄関を出る時も、校門を抜ける時も、俺の後ろには距離を空けた凉菜がいた。
いつもは隣にいる凉菜が後ろにいる。ぎこちなくて…緊張する。
「んん!」
すると、背後から強気な唸り声。少しだけ顔を向けると、
「んんんん!」
右側を指差しながら何かを訴えている凉菜。右側には、たまに寄るたこ焼き屋がある。
たこ焼き食いたいのか?てゆうかおっちゃんいるじゃん。渋々、進行方向を変えて右側へ向かった。
「おっ!今日はお2人さんは倦怠期か?」
「「………」」
つくづく思う。おっちゃんは結構鋭い人だ。