そんな顔すんなよ
「ほら、後は2人で話すべきだ。たこ焼き大大サービスするから持って行きな!」
「おっちゃん…」
「……あ、りがとう」
いつもより多いたこ焼きをもらって、たこ焼き屋を後にした。
「あの女の人が、目の前で優輔にチューしてすっごいムカついた。ひっぱたいてやりたかったの!」
「俺だって、あの男達が馴れ馴れしく凉菜に話し掛けてんのが、すっげームカついた」
歩きながら乱暴にたこ焼きを食べる俺達。ちなみに、今は凉菜が隣を歩いてくれている。
「だけど、デレデレした優輔にも怒ってるんだからね?」
「凉菜だって、ちょっとチヤホヤされたからって楽しそうにしやがって」
本音をぶつけ合えている。怒りをぶつけているのに笑い合ってる。
たこ焼きが繋いでくれた痴話喧嘩の修復の証がココにある。
凉菜の引っ越しまであと2日。
明日で凉菜との登下校は最後となる。