そんな顔すんなよ
ブサイクな顔
「……おい兄貴!休みだからって何時まで寝てんだよ?」
翌朝、慶輔のウザったい声で目が覚めた。ケータイに目をやると、アラーム停止が表示されていた。
今日は凉菜の声、聞けなかったんだ。
「慶輔…今何時?」
「もう11時半だよ。ぐっすり寝やがって羨ましいよ!」
慶輔を見るとバスケ部の格好をしていた。そうか、コイツは今から部活なのか。
「それより、凉菜ちゃんの見送りは行かねーの?」
「んー、夕方らしいから、後で出発の時間を聞いて行くつもり」
「ふーん。夕方に引っ越しなんて珍しいな?」
「こっちの環境を少しでも覚えておけるように、とかじゃね?」
アイツなら、そういうのあり得そうだし。
「引っ越しの前に会いに行けばいいのに」
「無理。俺の心がもたない」
「兄貴って案外小心者だな!」
「……何か言ったか、慶輔」