そんな顔すんなよ
必ず叶うってわけでもない約束はしたくねーよ。
「…優輔?おーい、バカ優輔!」
自分の中で勝手に対話を繰り広げていると、目の前で手をヒラヒラさせる凉菜が映った。
「……バカは余計」
「だって自分の世界に入り込んでたから、こうでもしなきゃ気づかないかなぁって思って!」
「誰のせいだと思ってんだよ」
「え?たこ焼き食べちゃったことまだ怒ってるの?もうごめんってば…」
「違うっつーの」
話が噛み合わないっていうか、通じないっていうか……ある意味鈍い。
「ふぅ…仕方ないっか。今日は、あたしがたこ焼き代払うよ!」
「は?お前、バカ?」
「だって、優輔怒っ…」
「俺はお前に金を払わせるほど、ケチな男じゃない」
と言っても、財布が悲鳴をあげていることには気づいているんだけどな。