千年の追憶【完】
それから俺達は、お互いを兄弟のように思える程に、通じ合えた。


羽琉はとても気持ちの良いヤツで、俺は羽琉に心を開く事ができた。


でもやっぱりアイツにとって俺は、対等には考えられないらしい。


羽琉は使用人で俺は主人という立場は、変えられないようだ。


「若様。」


羽琉が俺を呼ぶ。


「名前で呼べよ。
俺の名は若様じゃないぞ。」


「でも…。若様…。」


「じゃあ俺も羽琉の事、おい使用人って呼ぶぞ!」


「…はい。結構です。」


俺はため息をついた。


「そうじゃないよ。
俺は羽琉に、名前で呼んでほしいんだ。」


< 10 / 203 >

この作品をシェア

pagetop