千年の追憶【完】
「もう、驚くなよ。」


そう言って鹿住くんは、上を向くと軽く深呼吸をした。


音もなく、人間の姿になっていく。


お召し物も高校のブレザーに変わっていた。


「すごい。変身しちゃった!」


「さっきも見ただろう?
そういう、可愛い所は同じだな。」


「なっ…!!早時様!」


「鹿住くん。…じゃないのか?
俺は、呼び捨てにしてもらっても構わないが。」


「そんな事言ったら、女子達に殺されちゃいますよ!」


言ってから、『しまった』と思った。


洒落になってないよね。

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