千年の追憶【完】
「学校行くぞ。」


鹿住くんが歩き出した。


私が水菊になっていた時間は、十分ホームルームに間に合う時間でしかなかったみたい。


携帯電話で時刻を確認する。


家を出てから、ほんの10分足らずしか経っていないんだ。


―そして…。


大失敗だった。


うっかり、並んで話をしながら登校してしまったのだ。


鹿住くんと。


女子達の冷たい視線が突き刺さる。


昨日はあんなに、関わらないように気をつけてたのに。


「ちょっとぉ。都。
どういう事?
あたし、いつもの所で待ってたんだよ!」


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